Story「ZiaFree™(ジアフリー®)」
誕生ストーリー
きっかけ
深沢洋史(株式会社三山精工・代表取締役)は、2013年の就任以来、新規事業への転換を模索していました。他業種との交流を重ねる中で、従来にない発想の除菌消臭装置の開発者と出会い、そのメカニズムと先進性に惚れ込み、これを自社の新規事業として商品化しようと決心しました。
困難の連続
ただ、専門知識を持たない会社が、畑違いの分野へ進出することは困難の連続でした。最初に直面した問題は人材不足でした。専任の技術者や研究者を雇う余裕も無かったため、本業の空いた時間や終業後に消臭技術や商品化の研究を行う日々が続きました。ただそれでは、どうしてもスピード感に劣り、結果に繋がる発想にも恵まれませんでした。そこで、各方面の専門家に参加してもらうプロジェクトチームを発足させました。
プロジェクトチームの発足
開発は、プロジェクトチーム内での議論を進めながら行いました。原理試作機、実験機の製作を進めることで、技術的なハードルを一つずつクリアし、さらに基礎評価、連続試験を繰り返すことで、効率的な運転が可能な条件を模索しました。しかし、pHを一定に保つためのに必要な電流値等の条件がとてもシビアであり、その原理を把握するまでに長い時間を要しました。また、発生させた気体は発生時はその濃度が濃いため、酸化力が強く、腐食性が高いため、実験機内に使われているパーツを腐食させてしまい、これに耐えるパーツの材質や、気密性の確保にも設計段階から悩まされました。原因を追及し、改良を行う。その連続を重ね、ようやく最適条件を得ました。
市場ニーズの把握
開発と並行して、市場のニーズを把握する為、実際に現場に何度も足を運びました。関係者の方々や実際に働く方々と会う機会を持てば持つほど、そのニーズは計り知れず、この商品が世に出た時に、必ず必要とされると確信を持った瞬間でもありました。
「新製品・新技術開発助成事業」の認定
ただ一方で、開発が長期に渡ることで不足した開発資金は、東京都中小企業振興公社が主催する「事業化チャレンジ道場」に参加していた縁で、「新製品・新技術開発助成事業」を知り、その認可を受け、助成を受けることが出来ました。
モニタリングの開始
そして開発開始から2年の月日をかけた消臭器200台が完成し、市場におけるモニタリングを開始しました。 モニタリングは、病院、介護施設、ホテルや飲食店など多方面で実施し、モニタリングより得た不具合点を分析・検証し、製品に対してフィードバックを行いました。
当社初の自社製品の誕生
こうして、2016年10月「ZiaFree™(ジアフリー®)MT-01」と名付けた除菌消臭器が産声を上げました。同時に当社初の自社製品が誕生した瞬間でもありました。
これから
私たちは「ZiaFree™(ジアフリー®)」の開発を通じて、製品開発の大変さを痛感し、同時に「ものづくり」の楽しさを改めて感じました。当社は創業50周年を迎え、これまでの既存の事業と共に、自社製品開発という新たな事業展開が始まりました。事業はスタートしたばかりですが、着実に前に進むことで当社の事業の柱とするべく、展開を図っていきたいと思っています。今後の当社の製品開発にご期待ください。